✐あらすじ
アフリカのペンキアート「ティンガティンガ」を学ぶべく、タンザニアのブンジュ村を訪れた、SHOGEN(ショーゲン)さん。
ある日、近所のザイちゃんという3歳の女の子が、お父さんに言いました。「流れ星を捕まえに行きたい」
すると、その村の男たちは全員で流れ星を探しに。
毎日探し続ける大人たちに、ショーゲンさんは、
「流れ星なんて捕まえられるわけがない」
すると……
大人たちはこう言いました。
「お前は、流れ星を捕まえに行ったことがあるからそう言っているのか?」
「お前の心のゆとりはどこにあるんだ?」
「無駄とかしょうもないことの中に、幸せっていうものはあるのに、もったいない!」
その瞬間、ショーゲンさんは気づきました。
”僕らはお金のために効率を求め、他人の目を気にして「いいね」を求めた結果、一番大事な心のゆとり(幸せを感じる心)を失っている!”
私たちが失いかけている「幸せを感じる心」を取り戻すため、ブンジュ村で教わったこととは?
✐はじまり
つかぬことをおうかがいしますが、シイタケを食べたことはありますか?
……あるんですね。
では、鶏の卵は食べたことはありますか?
……あるんですね。
じゃあ、薬が家にあったりしますか?
……それもあるんですね。
じゃあ、最後の質問。旅行に行ったことはありますか?
え、それもある!?
これ、江戸時代の庶民にとっては贅沢なことでした。それに、家にクーラーと冷蔵庫のある暮らしは、あの天下統一した徳川家康だって味わえていないんです。
天下布武を掲げた織田信長だって、カプチーノを飲めずに死んでいるんです。
✐さいごに
「当たり障りのない人生」をモットーに、サラリーマン時代を過ごしてきたショーゲンさん。
ティンガティンガを学ぶべく単身渡ったアフリカで待っていたのは、私たちにとっては当たり前すぎて、見過ごしてしまいがちなものばかりでした。
おススメポイントは、なんといってもぐさぐさ突き刺さるブンジュ村の考え方です。
私がいちばん好きな言葉は、”自分が幸せでないと、他人を幸せにすることはできない”でした。
誰かの幸せのために、つい自分を犠牲にしがちですが、それではホントに相手を幸せにすることはできない。
生まれたときは当たり前だったことも、生きていく中で当たり前でなくなり、大切にしてきたことも大切にできなくなり、やがて、自分の本心すらわからなくなっているような気がします。
途中で立ち止まれる勇気とともに、
本当に自分は自分を生きられているか?
他人に求められている自分を生きていないか?
振り返る機会をくれた、ステキな一冊でした!