『ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編』村上春樹 著

「人が死ぬのって、素敵よね」
彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。

「どうして?」
と僕は訊いた。

娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。
「質問はしないで」
と彼女は言った。
「それから目も開けないでね。わかった?」

僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。

(本文より)
Contents

感想

本作は、『ねじまき鳥クロニクル』全三部作の第一作目、泥棒かささぎ編です。

本作の主人公であるオカダトオルは、弁護士事務所を辞めたばかりで失業中の身。
幸いにも妻であるクミコの稼ぎもよく、家事をこなしながらゆっくりと職探しをしている。

そんなある日、クミコから飼っているネコが行方不明で探してほしいと頼まれ、これを機に少しずつ不思議な世界へ。

猫探しに入った裏路地は奇妙な形に折れ曲がり、見知らぬ人の家、空き家が立ち並び、ときどき”ねじまき鳥”の鳴き声が響き渡ります。

そして、唐突にかかってきた一本の電話。
「十分間、時間がほしいの」

謎の高校生の笠原メイ、義理の兄のワタヤノボルについて語る加納マルタ・クレタ姉妹、姿の見えないねじまき鳥、それらが意味するものとは?

まさに村上春樹作品という感じの、舞台設定と登場人物です。

物語は、猫探し、加納姉妹との関係、間宮少尉と本田さんからの贈り物と、謎だらけのまま第二部へと。

村上春樹作品でおなじみ?の加納姉妹が出てくる本作、ぜひ一読してみてはいかがでしょうか。

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