小説

『冬雷』遠田潤子 著

大阪で鷹匠として働く夏目代助の元に訃報が届く。12年前に行方不明となった幼い義弟・翔一郎が、遺体で発見されたと。孤児だった代助は、因習が残る港町の名家・千田家に迎えられ、跡継ぎとして暮らしていたが、義...
小説

『コンジュジ』木崎みつ子 著

1993年9月2日未明、11歳のせれなは恋に落ちた。テレビ番組で偶然見かけた伝説のロックスター・リアンに。母に捨てられ、父から性虐待を受けているせれなにとって、その愛しい人は唯一の生きる理由となった。...
小説

『群青の夜の羽毛布』山本文緒 著

24歳になっても、さとるの門限は夜10時だ。学校教師の母には逆らえない。スーパーで知り合った大学生・鉄男と付き合い始めても、さとるは母を怖れていた。屈託のない笑顔、女性に不自由したことのない鉄男は、少...
小説

『神のふたつの貌』貫井徳郎 著

神の声が聞きたい。牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。彼が歩む神へと至る道は、同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは?”神はな...
ホラー・ヒトコワ作品

『破船』吉村昭 著

二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。しかし、積荷はほとんどなく、中の者たちはすべて死に絶えていた。骸が着けていた揃いの赤い服を分配後まもなく、村を恐ろしい出来事が襲う……。嵐の夜、浜で火を焚き、近...
小説

『行方』春口裕子 著

公園から忽然と姿を消した三歳の琴美。両親は必死に捜すが、一向に見つからない。22年後。自堕落な生活を送る幸子のもとに、一通の手紙が届く。差出人は、消息不明の妹を捜し続けている男だった。同じ頃、浜名湖畔...
小説

『慟哭』貫井徳郎 著

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長の佐伯は世論と警察内部の批判を受けて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの佐伯をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心を寄せ...