二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。
しかし、積荷はほとんどなく、中の者たちはすべて死に絶えていた。
骸が着けていた揃いの赤い服を分配後まもなく、村を恐ろしい出来事が襲う……。
嵐の夜、浜で火を焚き、近づく船を座礁させ、その積荷を奪い取るー
僻地の貧しい漁村に伝わる、サバイバルのための異様な風習 ”お船様”。
”塩焼きの役目は、海にお船様がやってくるのを見定めることだ”
難破船が招いた、悪夢のような災厄。
感想
表紙からも伝わる漁村の過酷な環境。
父のかわりに必死にがんばる伊作は、幼なじみにさんま獲りを教わり、かわいい娘にひそかに想いを寄せ、毎日を全力で生きます。
だけど”お船様”が来てから村は……
過酷な環境だからやむを得ないのか。
生きるためならば悪事を働いても良いのか。
悪事を働くくらいなら死ぬ方が良いのか。
ヌルい生活をしてる自分には、正解を選ぶ権利はないと思いました。。。
生きることの意味をもういちど考えたいと思っている方、ぜひ、一読してみてはいかがでしょうか。
こんな人にオススメ
過酷な環境で生きる辛さを追体験したい!
読みやすい歴史小説を読んでみたい!

