『不在』彩瀬まる 著
『愛っていうのは、気持ちの悪い言葉だよ。使われるのは、基本的にそうじゃないものをそう見せようとするときだ。そしてその意味はどれだけ表現を変えたって、突き詰めれば誰かに干渉したいってことだ』
『不在』より
父の死をきっ ...『さいはての家』彩瀬まる 著
休みの日に野田さんのそばに座って、段ボール箱から本を1冊取り出した。
本はどれもカバーのない文庫本で、中のページが柔らかくくたびれている。
少し指をすべらせるだけで薄い紙がぱたたたたっとめくれ、かびっぽい匂いが広がった ...